本当のさよなら
今日は早くに家を出て宇治のお家へ、残っていた荷物の廃棄処分に。
私の人生の2分の1を見てきた家具達。
長い時を刻んだそれらは引越しの度に小さな傷が付き私達の歴史そのものだった。
大きな婚礼家具に苦戦するお兄さん達に「壊して下さい」と言える自分がいた。
久し振りに見る畳には小春の齧った跡。
リビングのドアの爪の跡。
マックが毎日少しずつ小さくしたカーペット。
あちこちから現れる全てが愛おしい思い出。
2プラス2の時間でいっぱいになったトラックが走り去る。
何もかもが消えた家に「ありがとう」とドアを閉めた。
「元気で」と笑えた今日が本当のさよならなのかもしれない。
私の中で止まっていた時計の針が静かにゆっくりと動き出すのを感じた。
さぁ。マックと小春の待つ家へ帰ろう。
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